『幸せの経済学』で学んだこと

『幸せの経済が見えない』

先日の2月10日(金)付で掲載された北海道新聞<2面総合>

『異聞風聞』コーナーのヘッドラインを見て、「幸せの経済学」について取りあげている!と瞬時に気づき、興味深く記事を読みました。

 

3・11の後すぐに劇場公開されて以来、自主上映会形式で全国約300カ所にて上映されたという映画「幸せの経済学」。 

この映画が札幌で上映されると聞き、また、以前仕事でもお世話になった北海道食の自給ネットワーク事務局長 大熊久美子さんもトークショーでご出演されるとのことで、私も友人と共に見に行きました。

 

地球環境 世界経済の研究・活動家

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(スウエーデン)監督

幸せの経済学 http://www.shiawaseno.net/

 

 

今日は、この新聞記事で、問題提起をしっかりと強くメッセンジャーされていたことに共感し、少しでも多くの方に知ってもらう事が大事と思い、私のブログでもぜひ「メッセージ」させていただくことにいたしました。

 

かなり長くなりそうですが、

ぜひ!未来人育てに関心を高くお持ちの方は、お時間のあるときに読み進めて頂けたら嬉しいです。

 

経済活動は、何の為にあるのか?

本当は、人が生き生きしていて、健康で、安全で、幸せな社会を作る為じゃない? でも、今の資本主義じゃ、働く人を大切にしてないよね。

マネーゲームと経営効率、「利益あるのみ!」に陥っているんじゃない?

 

本当の「豊かさ」とは、「繁栄」とは、「幸せ」とは―。

普段あまり考えてもみなかった多くの事を気づかされる映画でした。

 

 

先進国では、GDPやGNP、科学や技術の進歩、その他経済効率や生産性を「豊かさ」の度合いとして、はかるものにしてきました。

でも、その「豊かさ」が増える程、自然環境が悪化し、文化やコミュニティーが壊れ、人間関係が希薄化していくのをラダック(インド)で見てきた監督のヘレナ。

これって、現代社会の「豊かさ」の評価基準を変えないとまずいのでは?

真の「豊かさ」を図るための、新たなるモノサシが必要なのでは?

 

映画の結論から言うと、

「豊かさ」を追い求める従来の経済学が、実は現代社会に大きな不幸をもたらしていたこと、そしてさらに「豊かさの経済」に代わる「幸せの経済」の軸となるのが、ローカルフード「地産地消」だと、ヘレナは映画の中でメッセージしています。

 

日ごろから、命の授業「誕生学」を通じて、命と経済(お金)はまるで対極にあることを感じつつ、私も今回の映画では多くの事を学ばせてもらいました。

 

経済でいう『一番幸せなこと』は、やはり毎日食べるものがあるということ。その「食」が、人の健康も考えず、ただお金儲けのために作られているものばかりになってしまうと?

 

環太平洋連携協定(TPP)についても、私たちが「知らない」じゃ済まされない程の深刻な問題が山積みで・・

「知らない」とは、「知ろうとしない」こと。

まずは、自分が出来ることとして「知ること」が大事と改めて感じています。

(このブログをここまで読んでくださった皆さんにも、ぜひ!一緒にTPPについて関心を今以上に高めてもらえたら嬉しいです)

 

 

原材料名の表示が無くなったら、我が子の為に、自分の為に、何を信じて食材を購入してよいのか・・。

 

外国産の果物や穀物の中には、ポストハーベスト(収穫後の農薬添付=一部、枯れ葉剤と同様の成分を含むものが使用されている)のおかげで輸送期間の腐敗が無く、美しい状態で商品としてお店に並んでいるものもありますが、今の日本で禁止されているこうした食品添加物も管理されなくなると、いったい我が子達の危機(遺伝子異常)を、どう防いでいけばいいのでしょうか・・。

 

日本の医療費(セーフネット)市場=36兆6千億も、協定により諸外国に狙われているとしたら?

保健診療から自由診療に替わり、差別診療や、薬価の高騰を招くことにもなるとしたら・・。

 

 

ふと、あらためて冷静にOECDや農水省のデータも見てみると、

日本の農産物関税率・・・11.7%

日本の輸出依存度・・・13.1%

 

ってことは、

唯一の輸入食品が安く買える楽しみも、実は1割程度くらいしか安くならないってことか〜と気づいてしまったり。

さて改めて、今、なぜ環太平洋連携協定(TPP)交渉が議論されているのか。

 

 

多くの経営者は、収益をあげて企業の存続を守り抜くこと、そして出資者からより多くの資金を集め社業を成長させる事に専念しています。 

そして、企業の成長後に、環境問題や安心安全に資金を投下することで社の地位が高まります。

これが経済社会なのだと…私の尊敬する上司に教わりました。

 

一方で、映画「モンサントの不自然な食べもの」

http://www.uplink.co.jp/monsanto/

の様に、遺伝子組み換えを始めとする自然の摂理をねじ曲げているのも経営者で、その経営者の基で生計をたてている人や、収益を得る人が多い現代社会。

 

 

さあ、いよいよローカルの時代

〜ヘレナさんの「幸せの経済学」

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ+辻信一 著

 

著者の本も手にしながら、

子ども達の未来のために、もう少し「知ること」を続けてみたいと思います。